むかし、お百姓さんが畑にパラパラとたくさんの種をまきました。
畑にまかれた種たちは「わー、柔らかくて暖かい土のベッドだ!」と言って喜びました。
ところが、そのときピュウッと風が吹いて、種が4個吹き飛ばされてしまいました。
飛ばされた種たちはどうなったのでしょう?
1つ目の種は、人通りの多い道に落ちました。
「わー、人がたくさんいる。踏まれたら大変だ!」と言って、コロコロ転がって大騒ぎ。
そうしていると、空から鳥が見つけて「あ、おいしそうな種だ」と言ってパクっと食べて
しまいました。
2つ目の種は、硬い大きな石の上に落ちました。
「大きな石のベッドだ、うれしいな」と喜んでいるとお日様がポカポカ照らしてくれました。
雨が降ると種は根を出しましたが、雨がやんでまたお日様が照り始めると、今度は雨が降りません。
「うわぁ、だんだん熱くなって来た。大変だ、このままだと枯れてしまう!」と思いましたが、
石の上は固くて隠れることが出来ません。そうしているうちに枯れてしまいました。
3つ目の種は、いばらの森に落ちました。
そこは土の上でしたが、いばらにお日様をさえぎられ、いつもジメジメしていました。
根を張って大きく伸びようとしますが、あっちでチクッ、こっちでチクッ!
なかなか伸びさせてくれません。そうしているうちに元気が無くなって枯れてしまいました。
4つ目の種は、風に吹かれてお百姓さんが耕してくれた、柔らかい畑に落ちました。
「わぁ、柔らかくて温かい土だ!」
種は根を張り、お日様を受けて大きく育って、又たくさんの種を付けました。
神様の言葉は皆さんの心にまかれます。いつも柔らかく耕して、素直な心にしましょうね。