有名な一説です。
あるおじさんが、エルサレムからエリコの町に商品を持って旅をしました。
昔は車も汽車も飛行機も無く、どんなに遠いところにも歩いて行きました。
途中の森でおじさんは強盗に会い、殴られたり蹴られたりして商品だけでなく
着ていた着物も剥がされて、大けがをしたまま放り出されてしまいます。
「ああ、痛い。寒いよ・・・」けがをしたおじさんは、ホトホト困ってしまいます。
そこへ、いつもお宮の仕事をしている偉い先生が通りがかったので、おじさんは
「助けて下さい!」とお願いをしますが、先生は気付かないふりをして行ってしまいました。
途方に暮れていると、今度はレビ人のお金持ちのおじさんが通りました。
おじさんの国とレビ人はいつも仲良くしていますので、けがをしたおじさんは喜びました。
でも、レビ人のおじさんはけがをしているおじさんを見ると、
「これは大変!こんな所にいたら私まで強盗に襲われてしまう!」と言って、
逃げて行ってしまいました。
いよいよ夜も更けて、けがをしたおじさんは「もうだめだ。このまま死んでしまうのかな?」と、
あきらめかけていました。
すると、ポカポカポカ・・・、ロバのひづめの音が聞こえてきました。おじさんは力を振り絞って
目を開けると、それはおじさんの国といつもケンカばかりしている、サマリア人でした。
「ああ、サマリア人とはいつも仲が悪いから、きっと助けてくれないに違いない・・・」と
悲しんでいると、けがをしたおじさんを見つけたサマリア人は、サッとロバから降りて、
「これは大変だ!このままでは死んでしまう。さあ、私の着物を着て、薬を付けてあげよう」と言って
手当をして町の宿屋までロバに乗せてくれました。
宿屋に着くと「私は用事があるので行きますが、お金をお渡ししますのでこのけがをしたおじさんを
看病してあげて下さい」と言って、宿屋の主人にお金を渡して行ってしまいました。
(ルカによる福音書第10章)
さて、3人のうちで一番優しかったのは誰でしょうか?もう、分かりますね。
みんなも、時にはお友達とケンカをして「あの子きらい!」っていう気持ちになるかもしれませんが、
すぐに仲直りして、困っているお友達や泣いているお友達、けがをしているお友達に寄り添って
「だいじょうぶ?」って言える優しい子どもになりましょうね。